リサーチ!学校選び カルチャーフィット編
パーフェクトな人でも入れない?
極端な例えになりますが、実際に話を聞いた一人のMBA志願者がいました。
彼をAさんと呼びます。
Aさんはエリート高校と大学を首席で卒業。ハンサムでスポーツが万能。社会人としてはエンジニアの職に就き、たった数年で昇進も経験。GMATは780点という非常に高い点数(満点と言っていいくらい)。
そう、GMAT対策をろくにせず高得点をたたき出すような”天才”。
彼はハーバードとスタンフォードに合格できなかったのです。
何故?780点は20万に数十人しか記録してないくらい高い。
参考 GMAC レポート chrome-extension://oemmndcbldboiebfnladdacbdfmadadm/https://www.gmac.com/-/media/files/gmac/research/gmat-test-taker-data/gmat-geographic-trend-report-2018.pdf
ある学校のアドコムの話を聞くと、GMATと経歴は学業の成功に大きく関連しており、志願者の就職に対する有力性に繋がっているとのことです。教育機関とわいえ、ビジネスであることを忘れてはいけないです。学校が提供するMBAというプロダクトは生徒が成功することにかかっていて、成功は卒業後どの企業で働き、どれほどの収入を獲得することができるのかによります。最終的にはMBAランキングに直接かかわるからなんですね。
それならAさんは学校にとってゴールデンなのでは?
GMATと経歴だけではない
MBAのアプリケーションは要素が多く、単純に経歴とGMATだけではないとのこと。
例えとなりますが、すべての歯車がしっかりしていないと機械が動くことはないですよね。一部がどんなに良いパーツを使っても、欠損してる箇所があれば動くことはないです。MBAのアプリケーションも同じで、AさんのようにGMATと強い経歴があっても、卒業後の目標やビジョン、面接、エッセイの質が低ければ受からない場合もあるのです。一方で、全ての歯車が一つのストーリーとして成り立った時、夢の学校に合格するだけでなく、奨学金も受賞することもできるのです。
参考 [画像はApplicant Lab のマリアさんより]
学校のリサーチ
アプリケーションのエッセイと面接には必ずこの質問が聞かれます。“何故この学校に来たいですか?”、“プログラムに入ることでどう自分の目標が達成できますか?”
この質問を答えるには少し時間をかけてリサーチする必要があります。
私は次の通りで学校のリサーチを行いました。
- 卒業した後どういう業界でどういう仕事をしたいのかを決める。私の場合これは何年もかかりました。(今でも100%とは言えるわけではないが 😱)。分野としてはマーケティングかコンサルティングと決めて、さらにアナリティクスに特化したプログラムを希望しました。
- 学校のGMATの平均値マイナス50点の範囲のプログラムは何か?(それ以上は入れる可能性は低くなるだけでなく、奨学金をゲットできる可能性も低くなるので)
- 自分が興味を持ってる二つの分野に特化した学校をリストアップする
- 前回投稿した雑誌機関を情報源として当たりました。そのほかGmatclubという志願者向けのフォーラムがあり、GMAT対策だけでなく、学校の情報も豊富にあるので、一度はチェックしてみてください。
- https://gmatclub.com/
- 学校の就職実績を見てみる。上位ランキングの学校は就職実績のレポートを毎年出しているのでかなり参考になります。
- *この時点で興味がある学校は幾つか出てきてるはずです*
- LinkedInで在学中の生徒と卒業生に連絡し、経験談や学校の文化を聞くなど、学校に連絡を取り、プログラムコーディネーターと話をする
- 私が聞いてきた質問は
- どのような生徒が通うのか?
- 一言で言うと学校はどういう文化ですが?何を大切にしていますか?
- どの専攻が一番強いですか?
- キャリアサービスセンターはどの様にサポートされますか?
- 住む地域はどうですか?治安や移動方法はどうやってしていますか?
- 就職活動は?どういう企業がキャンパスに来ますか?
- 私の履歴書を見てほしいです!どう思いますか?
- どこか強められるところはありますか?等々
- 私が聞いてきた質問は
ここまでくれば3-4校に絞りたいところですね。それ以上はアプリケーション準備に時間がかかりすぎるのと、まだ自分の中ではっきり物事が決まってない表れでだと思います。
可能であれば直接キャンパスに出向かい、アドコムや在学中の生徒と話すことができれば理想です。それは面接やエッセイでも伝えることができますし、先方もどれほど自分が真剣なのかを受け取ってくれるからです。
次回の投稿は 「アプリケーションの準備」
リサーチ!学校選び ランキング編
卒業した後何がしたいのか?
この回答次第で学校候補が定まっていくのが正論だと思います。
「え、高いランキングの学校を選べばいいんじゃない?」
一つの指標としてはその考えは正しいと思いますが、私の意見は場合によると思っています。
学校ランキング
そもそも学校のランキングはどう決められている?高い・低いの違いは?メリットは何なのか?
個人的に今までランキング=偏差値と思っていましたが、どうやらそうでもないみたいです。MBAのランキングと言えば以下の雑誌機関は要チェックです。
US News
Forbes
Businessweek
Poets & Quant
Financial Times
こちらの調査によるとUSと海外の志願者たちも見る所が変わってくるみたいですね。
難しいのはそれぞれの機関のランキング方法は異なっており、学校のランキングに多少バラツキがあるからです。これはトップクラスの学校でも同じことが言えます。
例として世界的に有名はMITの2019年のランキングです。
雑誌機関によって3位でもあれば16位と位置付けられてる場合もあるのですね。
個人的には階級的にTier 1, Tier 2, そしてTier 3として大きく分けたほうが話は早いと思います。意見は様々だと思うのですが、上位ランキング1位-15位程、中位は16位~40位、下位は40位~と思っています。
一番分かりやすい卒業後の収入
ランキングが高ければ卒業後の収入も高いというのがシンプルに区別できる所かなと思います(このトピックに関しては改めて投稿しようと思います)。平均的に上位 と 中位ランキング校の MBA卒業生の収入は約2万ドル(220万円)くらいでしょうか。
上位は1350万円代が平均ですが、中位は1250万円代です。正直言ってあまり変わらないです。(為替の考慮なし)
上位の学校は高級ブッフェのレストランと思っていう印象が強いです。種類も多く、すべての料理が最高級であるように、プログラム先行も充実しており、ネットワークの質もトップクラス。一方で中位の学校は幾つかの専攻と業界ネットワークに特化しており、比較すると上位の学校ともあまり劣らないと思います。推測としては学校と企業のロケーションに関連性が大きいからです。
例1
例としてVanderbilt Owen School of Business はランキング20位代と評価されますが、学校があるテネシー州ナッシュビル市はヘルスケア業界のハブと言われており、Owenは全米MBAプログラムで1番ヘルスケア業界にインターンシップと卒業生を送り込んでいます。
例2
もう一つの例として私の通う学校は29位とランクされていますが、Financial Times誌は学校のファイナンスプログラムを全米5位と評価されてるらしいです。
こういうのを沢山見ると結局複雑さが増してきて、とりあえず上位常連学校を狙うのが普通の考えになるのではないでしょうか。。。
だからこそ卒業後何をしたいのか?これをまず決めなければならないのだと思います。後々学校に出すアプリケーションのエッセイにも大きく関わってきますしね。
まだ100%決まっていない!というのであればプランBとして次に興味があるもの、あるいは柔軟性を持てるよう、興味のある分野に特化してる学校を選べば無難化と思います。あるいはどの会社で働きたいのか分かっているだけでも大きく違います!
そこがしっかりしてるならば、人と企業はおのずと集まるので、出会いの質と就職の機会も確保しやすくなると思います。
結論としてランキングだけで行きたい学校を選ぶべきではなく、何をしたいかによって選ぶべきだと私は思います。
リサーチ!学校選び カルチャーフィット編
MBAの選択肢とその理由
MBAプログラム
MBAは主に4つの方法で取得する事ができます。それぞれのプログラムは主旨と学費が異なり、自分の目標と状況によってどのプログラムがベストなのか分かると思います。
- フルタイムMBA
- パートタイム
- 仕事をしながら夕方、または週末に授業を受けるのが主流。自身がすでに勤めてる会社でステップアップするため。
- オンライン
- パートタイムと同様で、働きながら単位を取得する事ができ、オンラインであるが故、学費もフルタイムと比べて半分程
- EMBA
- これはすでに管理職、あるいは10年以上の職務経験を持っている人のために特化されたプログラム。ほとんどのMBA志願者は上三つに当てはまるでしょう。
私が選んだ道
私はフルタイムMBAを選んだ。その理由はサプライチェーンからマーケティングへキャリアスイッチすること、人とのネットワークを広げること、そして直にキャンパスに通い、人と対話して学ぶ事が自分にとってベストな学習環境だからです。MBAは新しいハードとソフトスキルを身に着けるだけでなく、様々な国や経験を持つ人から「考え方」を学ぶ訓練場と自分は思っていて、フルタイムプログラム以外はそれを得ることができないと思ったからです。
学費
高い。。。
それしか言いようがない。
以下の費用は1年間の学費の予想額です。
プログラム名 |
学費(一年分) |
MIT (Sloan) |
$77,168 |
NYU (Stern) |
$74,184 |
Stanford GSB |
$73,062 |
Dartmouth (Tuck) |
$75,108 |
UPenn (Wharton) |
$81,378 |
Columbia Business School |
$77,376 |
Harvard Business School |
$73,440 |
UCLA (Anderson) |
$65,114 |
Chicago (Booth) |
$72,000 |
Northwestern (Kellogg) |
$73,404 |
UC-Berkeley (Haas) |
$64,652 |
Yale SOM |
$72,350 |
Virginia (Darden) |
$70,500 |
Rice (Jones) |
$60,940 |
Georgetown (McDonough) |
$59,700 |
Carnegie Mellon (Tepper) |
$68,000 |
Emory (Goizueta) |
$65,400 |
UNC (Kenan-Flagler) |
$66,324 |
Indiana (Kelley) |
$51,451 |
参考[ https://poetsandquants.com/2019/11/13/the-total-cost-to-attend-a-top-25-mba-program-keeps-rising/2/ ]
円からドルの為替をざっくり考慮して学費は1年で550万-800万程。生活費は独身の方と家族持ちの方で異なりますが、さらに250万~という所でしょうか?
いくら貯金してる人でも仕事を辞め、この金額を払ってまでMBAを取得しようと思う人は自分に対する賭け以外なんでもないですよね。(笑)
あいにく、これが年々MBA志願者の数が減っている理由の一つであり、一方でオンラインでMBAを取得しようとする人数が増えてきているのです。
オンラインMBAの売りはフルタイムMBAより学費の大体は半分以下で、仕事をしながら自分のペースで単位を取ることができます。自分もあと一歩という所でこの選択肢を選ぶところでした。(笑)
次回は
リサーチ!学校選び ランキング編
このコロナ時代で海外留学(MBA)だと!?
2020年をキャンセルしよう。
そう言う人は多いだろう。
世界が強制的にコロナ時代へ入り、影響を受けていない人は一人もいない。
振り返ればコロナ以外にも多くの悲劇や災害がある年だった。。。(RIP Koby)
今のアメリカ情勢は人種差別、コロナ対応、11月の大統領選挙で話題は貸切り。企業はコロナに対応すべく臨時閉店、リストラ、そしてオファーの撤回に追い込まれており、むしろ繁栄してる企業は少ない。
その中で職を離れ、海外に住み、多くの犠牲を払ってまでMBAを取得しようと思うのはかなりの覚悟が必要だ。我が家は日本人の妻と子供3人(5歳、3歳、1歳)家族で、金銭的に余裕があるわけでもない。
その結論がこのコロナ時代で海外留学(MBA)だと!?
むしろ私はチャンスだと思っている。
企業は働き方と考え方を変えなければならない。できなければ現状維持が精一杯か時代に一早く適応した者に取り残されるに違いない。
多くのMBA取得者の話を聞いて思ったことがある。MBAはあらゆる時代の変化に適応できる訓練場なのだと。その訓練をどこまで生かすかは本人次第である一方、今より高い能力、ソフトスキル、指導力を育むことは期待できる。
今はそのような人がより必要とされてる時期なのかもしれない。だからこそ私はチャンスだと思ってる。
なぜなら世界が強制的にコロナ時代に入り、影響を受けていない人は一人もいないから。
まだこう言う人は少ないと思うが私は宣言したい。
2020年は飛躍の年にしよう。